不動産のなかには、土地や建物の状況により一般的なやり方では売却が困難な物件も存在します。
筆界未確定の土地はその代表例ですが、事前に注意点を押さえておかないと損をしてしまう可能性もあるでしょう。
今回は、筆界未確定の土地の意味やスムーズに売却する方法について解説します。
筆界未確定の土地は売却できる？
結論からいって、筆界が確定していなくても売却自体は可能です。
しかし、筆界未定地は隣家とのトラブルに発展しやすいため、買手が付きにくい傾向にあります。
原則として、売主には境界明示義務が発生し、土地の境界を買主に明示しなければなりません。
筆界が定まっていない不動産は信頼性がないため、購入を敬遠されるでしょう。
そのままの状態で売却すると、買手が見つからない状態が長期間続いてしまうので、何らかの対策をする必要があります。
筆界未確定の土地とはどのような不動産？
筆界未確定とは、何らかの事情により、地籍調査で筆界が未定になっている土地のことです。
土地の境界を意味する「筆界」には「隣地所有者との境界」と「公道との境界」の2種類があります。
筆界確定は両者が登記に定められている状態ですが、公道との境界が明示されていないケースも多いのです。
また、筆界とよく似た言葉に「所有権界」がありますが、これは土地の所有権が及ぶ範囲を示しているもので筆界とは異なります。
範囲の変更も所有者の判断によっておこなえるため、私法上の境界として登記には反映されません。
筆界未確定の土地をスムーズに売却する方法
筆界未確定の土地をトラブルなく売却するには、筆界確認書を作成し地図訂正をおこなうことが重要です。
土地家屋調査士による調査のもと境界明示ができるため、買主も安心して不動産を購入できるでしょう。
筆界確認書や地図訂正の作成には数十万円の費用が発生するので、予算は余裕のある額を設定しておく必要があります。
また、境界を確定させないまま売却するのであれば、境界非明示の特約を付けなければならないことも押さえておきましょう。
その際は売主・買主双方が土地の境界が確定しないことを承知し、売却後に損害賠償請求を受けないよう取り決めをすることが大切です。
まとめ
筆界未確定とは隣地や公道との境界が定まっていない状態で、売却に少なからず影響を及ぼします。
売買契約を結んだ後にトラブルが起きることのないように、筆界確認書や地図訂正を作成してから売却しましょう。
境界を定めない状態で売却するなら、特約を設定しておくと安心です。
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